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 自分には取り立てて、人よりも秀でる点がない。しかし、こと文学や音楽に関しては人よりも優れている点は多少は見受けられる。しかしそれも自分の評価であり、思いこみかもしれない。そこを三十代の大台をもうじき迎えるかというアラサーのあたしは将来へのステップをいかに奪取して行くべきかを、きりきり舞いで、無い頭で模索していたといえます。私の場合は、まず解決しないといけない問題があって、給料が入って来ても全部支払いで消えてしまうことで、この状態では全く仕事へのやる気が起こりません。どうやって負債をゼロにして、毎日をスムーズに展開していくかを考えていた矢先、私は大きな賭けに出るのです。いつもかつも女性の立場は低くて、いつまで待っても、希望を持って邁進出来るようなステージは見えては来ない。しかし私は気持ちは沈み込んでしまうことが最も危険だとみずからに発破を掛けるのです。度重なる恋愛によって、幸せにはなれないことにも目が覚めて、男女の恋愛程、無慈悲なものはないとの結論に至っていたちょうどその頃.....。私は、大きな人生のスケールをその時、見たように思うのです。恋愛雑感では、女性はどう見ても不利で、それ以外の、着実な道を模索していた頃、私も、29歳を超える年齢に到達しようとしていた頃でした。