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 無理強いのような自己嫌悪に陥りがちの日常のトリックに嵌り込んでしまうことがない為には、軽妙な自分を常にスタンスとして維持していることがどんな仕事にも同位に必要とされている。飲食業の顧客の取り込み方にその極意も健在だっただけにもの凄いスピードで里子が魅了されていった背景にも納得はいくのです。人生百年時代のシフトを己に包括するということは時代の美味ではあっても、ただ単に計画倒れに終わってしまうこともある。着実な構想があることが第一義。その為には収入を得ることにシビアになることで一致していたのです。一致とは自分の思うことと正解が合致することで、里子は気軽な気持ちで受けたカフェに合格したことで、身の周りの風景が全部変遷してしまう程の、喜びを禁じえない状態ではあったのです。一心不乱で立ち回って、そこで健闘したにも関わらず、結果四日間で辞めてしまう。飲食業の厳しさに改めて押し倒された感じは否めないものの、ここですごすごと敗退してしまう訳にはいかない。失敗を検証しないままでは何も今後の糧にはならない。一体何が不十分だったのか?自分のどこがついて行けなかったのか?仔細を記し起こしながら検証していくと、飲食業の、素ゴ腕の部位が炙り出され戦くのです。求人を掛けても中々集まらない部門であればすぐさま採用にはなるけど、実際に仕事に入ってみると驚きを禁じえない。里子は自分の疑問符をそのつど記述、あくまでもそれなしでは打開に持ち込むことが出来ないを直感、しかもそれが今後のカギになると睨むのです。