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 マレさんには不思議な金運がありますよね?ええ、今回ばかりは私も驚くの。ケチな伴侶だから十万円返せ!!って普通なら言いたいとこだけど、彼は心の奥底で私の金満家ぶりを熟知している。ど、どんな金満家なんですか?転んでもただでは起きないで、置き変えるっていうスタンス。介護してもらう今後を踏まえれば十万返して!!は中々言えない。そだね~~っては言えない状況になっているんですね。しかもまだ、そこに輪を掛けてこれから有意義な時間はたっぷりとある。私が運ばない限り着替えやタオルが入手出来ない。弱みに付け込むんですね?いいえ、正当な介護料を伴侶から徴収することだって可能になっている。でも。でも?良心の呵責が、私を崖っぷちまで追い落とさんばかりに切迫しながら刺激するのよ。もっと人間としての良心を稼働させて!!って。それで、マレさんは良妻に変身するんですね??いや、そうなってしまったら作品はこける。腐敗する。いまいち路線を進むしかない。僕にも段々解って来ました。マレさんにとっての悪妻とは作品の根幹を流れているニヒリズムなんではないですか?当たってるかも、じゃあ、そこをお願いね。あの家には 金の草鞋が 干してある