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 正確には日本の数字は全部、作り上げられたものだろう。しかもその記述には精密さが欠け、実際の確定数字はかなりぼかされて本当の危機を国民が知らない可能性もある。僕がここまで懐疑心を逞しくするのにも理由があって、戦争に負けることよりも悲惨なのは経済で負けること。ここを皆がなおざりに捉えている点が気になるのだ。戦争の負けよりももっと辛辣でみじめで過酷極まるのが経済戦争に敗北することだ。しゃかりきになって僕は今だからこそ言う。なぜならまだ、立ち直る、立て直す余力があるからだ。もしも全く見込みがないなら僕だって全く別の手の内を見せるだろう。しかしそうはまだなってない。これから責任感を持って政治家にはその方面のスペシャリストを横に置きながら、どうすれば沈んでいく巨艦を正常運航の航路に乗せていくかの論議に入って欲しい。太平洋戦争に突入して負けた時よりも今の方がもっと危険を孕んでいる。そこで危機意識が全くないことと、およそ他人のことのように振舞える大の大人がしかも大勢、存在することが僕にとってだけでなく全体の脅威として立ちはだかっている。若者も希薄な危機意識でいる。大人がそうだからこれは仕方ない。政治家が名前だけですいすい当選しても誰も何も思わない。それが当たり前だとしたり顔。もう何年も政治家としてやって来て結果は誰もほぼ出してない。国債頼みの財政出動論議のまな板に上げようともしない。政治家として他にやることは一杯あるんだよ?と嘯く。僕は少なくとも真顔だ。これからの危機を危機に絶対持ち込まない為に、執筆奔走している。