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 俺の腹時計はしっかりチックタックと音を出して進んでいる。それなのに政治のチックタックはいい加減でどうも信用がならない。特にこの数日間の変更や変化には目を見張らざるを得ない。イタリアと交友関係を強固にした中国がいたかと思えば、やっぱり北を称賛したいというトランプ。こんな変化に恐らく日本はついていけないし、縦横無尽型の俺のしゃいな感性ですらてんてこ舞い。一体誰のどの弁を信じるべくかが相当の難儀を極めていて日本の平成もそろそろ終わるということで、この有終の美に思いを馳せてみた。イチロー選手がこの時期に引退というのも俺の心をナーバスにする。サッカーのキングカズより七歳も若いのに、もう少し温和で情けある対応が出来なかったものか?って球団のクールを俺は恨んだ。イチロー選手は五十歳まで充分行ける選手だ。一試合にちゃんと四回打数を与えれば打ち出すという、打ち出の小ずちを持っているのに、それを認めさすことが出来なかった残念は僕にとって強烈過ぎで、アメリカに対しての思いも引き攣る。試合は勝てばいいという頂上志向がやけに気になる。結果がすべて、打率がすべて。僕達とはやはり一線が画してあることを俺は肝に銘じた。アメリカが思う先には日本の感性は存在しないのだ。極端な話のようだが、イチローをどう扱うかで僕には見えて来る今後の方向性たる思想があって、逆にせいせいした。野球少年イチローの夢は決して悪夢であってはならないからだ。