スノーサファイア・マンss18 僕達は一体どれ位の年収だったら十年を持ちこたえられるのだろう。年収を貯蓄と置き換えてもいい。僕なら一年の収支をまず割り出してみる。収入とはいっても様々な職種があっていちがいには言えない。一番解り易いのはこれなので僕は食費に幾ら使えるか?を常に基準にしている。通信費が馬鹿でかい若者だっている。交際費に余念がない若者、趣味にボーナス全部を吐き出してしまう若者。決して一緒くたには出来ないが、食費に持って来ると割と見易くなって来る。例えばルームシェアで暮らす若者が都市とローカルのそれぞれのプライスの差異はあっても食費に丸丸投じることが出来る金銭の両極端こそが僕は気になる。月に十万の食費で暮らしている若者と、月に二万円の食費で生活しなければならない若者の差はおのずと身体にも影響を及ぼし始めている。それは一日何食という問題ではなく日常的生活空間そのものが自然に見えてくる。僕は今、割と裕福で、それでも節約志向の若者、この層が生活水準を見極めている段階だと推測する。いつも親から援助を貰っている若者でさえ先行きの不安はあって、これから起こる二代目三代目衰亡論は囁かれている。しかるに先細りの経済試練を組み込んでいる企業がほぼ全体像の三割に迫っている。そんな経済的有事到来を前に、この国の若者達が自身の経済行為を繰り越しながら、自分がどういった方向へとこれから流されて行くかを真剣に模索している。流されていくのに模索もおかしいが、弟の日常はどこか、これと似通っているのだ。