ルビー・ウーマンr338 パーティで行ったお座敷ではみんなが思案橋に下って2次会をしたい気持ちはあるにはあったんですが、その一時間半のクラブ料金の高さに嫌気してもっと安いスナックへ行くことを希望するお客も多かったのです。ここは腕の見せ所ではあるものの、大枚を払う気持ちになっていないお客のこともちゃんと吟味しないといけません。僕はお金がないから下らないよって事前にはっきり言うお客さんもいて皆がお互いに気を遣ってくれたのです。なぜなら男には下心があります。もしも店まで行っておけば何か起こるんじゃない?っていうレベルの臍下三寸希望ですがそれは男ならどこかにあると思うのです。店には八時半までに行けばパーティ同伴になってノルマもクリアでホステスは嬉しいばかりなんですが、お腹も一杯だし実際もう飲めないよ?っていう位飽和状態にいるお客さんも多くてもっと違った志向の店を探す向きもあったようです。今みたいにすまほが万全ならグーグルガイドでいい店を探し出すことも可能ですが、当時は手探りです。旅のお客さんがその気になって、死んでも帰らないっていう場面に自分が置かれ、ドツボに嵌った経験上、やっぱり男って本当に怖いい生き物っていう論定は外せません。そのお客は私を好きになってもうホテルに戻りたくない、結婚したい!!って言い出す。尋常では考えられないことですが、そういう稀有な経験が今物を言うのです。