ルビー・ウーマンr316 彼女はツイッギーさながらスタイルが良くて最初こそ私にびっくりして店内でワイワイガヤガヤしたものの、次第に私のいい頃加減に気が付いて少し距離を置いていった感じはしました。なぜなら私にホステスとしての切れる風貌が無かったからでしょう。自分で芋だと自覚していたのです。まず求められる魅惑のスタイルが無かったこと、そして同伴相手を探さないといけないのにそれをしている風でもない。努力の跡も欠片も垣間見えないっていう所作。何度も店で会って一緒に食事を共にするけどいつか席を置くようになって私は二つ離れた席にいて、ニコニコしつつお互い茶々を入れ合う位で多くを語らなくなって行ったのです。中学時代を思い出す。彼女の家に行って一緒に貝堀りに行ったこと。中々貝は出て来なかったけれど、遊んだ記憶は群を抜いて私にページを催促します。めくっていく度に新鮮な思いに立ち返るのです。彼女に一回呼ばれながら私は顧客を紹介していなかったのです。彼女の構想が今なら見える。黙っていても私も彼女に一回はお返しをすべきだったのです。彼女は大型キャバレーの売れっ子。そこに私は招待されてただで店の雰囲気を味わい奢ってもらっていた。それなのに私は義理を果たさなかった。ここはあたしの欠点だと思うのです。今も自分に中々人がついて来ないのはこういった細かな温情に欠けるからでは?と来年の筆頭抱負に据え置くのです。