エメラルド・ウーマンe95 信長秀吉家康は全員、愛知県にゆかりがある。そこで戦国の三英傑と言うことにする。三英傑の天下獲りを詠んだ狂歌は実に素晴らしくて、それをいきなり川柳にしてみよ!!と言われてもピンとは来ない。しかしよくよく拝見すると家康に関する描写が卓越していて視座が芽生える。三人を表したとはいえ、この狂歌は確実に家康の運の良さや棚からぼた餅度を言いたげでそこが滑稽に値する。里子は家康を中心に川柳に挑めば17文字の枠でも出来ることを見越すのです。家康だけを描いても他のふたりがじわっと読者にわかる構図が望ましい。小さい頃、人質だったにしては徳川家は十五代まで続くというその盤石への布石、数々の戦い、しかも常に自分の首を賭けていた当時の男に思いを馳せていくと、いかに今の世の中がのんべんだらりなのかが読めてくる。腑抜け同然。どうすれば17文字の中で家康の威業を伝えうる川柳展開が出来る?って。里子はまず構想します。天下餅も相手を選ぶという定義です。弱い方につく馬鹿な天下餅はいません。餅は単なる物質ではなくなりここでマテリアル〔待てが架かる〕要素が仕込まれて来る。考える餅です。そして凄いことに同時に気が付く。天下という二文字のアドベンチャー語彙と語威。天下を付ければ物事が大きく旋回し魅力的になる。戦略的に推移する。これを使わない手はないだろう。彼と会うのは三日後でしたがその前に川柳が出来るが容易に予想出来たのです。