ルビー・ウーマンr292 お腹が大きいということでみんなも親切に扱ってくれてその店を去る時にはさすがに泣きました。しかし第二子のその子を産んで私が勤めた店はスナックではなくクラブだったのです。水害の後で長崎の街は消沈していました。私は長女の手を引き下の息子を抱いてお盆過ぎの長崎のアーケードに来ていたのです。そこではまだどこへ勤務するかが決まっておらずアーケードを練り歩いていたのです。どうしてもお金は毎月15万以上は確保したい。家賃や光熱費、電話代で4万、そして食費や車のローン諸々で総計15万円は必要だったのです。私は自分に啓示が入るのを待っていました。しかしそういう時に限って入らない。どうすればいい?って。しかし性急になればなる程、現実は険しくなっていく。暫く就職のことは頭から除外してその日は家に帰るのです。すると電話帳だよ!!っていう啓示は入ります。なんで?って迷いはあるもののぺらぺら捲っていくとクラブスナックのページになるのです。でかでかと広告を入れている店にも配慮しながら、一軒一軒、観て行きます。こんなことじゃあ、一晩中探してもわからないって諦めた時だった。飛ぶ鳥を落とす勢いのクラブがある!!って啓示が入るのです。これまで見たことがない、目にしたことがない名前のクラブだ!!って。私はその日のうちに面接の手配に及んだのです。