ルビー・ウーマンr278 結婚生活で夫の収入は全く無かった訳ではないものの私は仕事の締めやお給金を渡す時期が親方や請負親分のやり方で随分違って来ることを知りあてにするのが馬鹿らしくなってきて頼りにしなくなっていたというのもあるんです。それを頼りに動けば自分がどうなるのか、先は見えていた。何とか多めにみんなから拝借して、一ヶ月か二ヶ月経過で頼み込む生活でした。こういう事態を避ける為にエイミーの助言はあったのに意識もしていません。若さは傲慢だった.....と当時を振り返ります。なぜなら私は働き手の一部になるくらいなら結婚生活を望まなかったからです。家にいて自由な時間を保有する物書きを理想の姿としていたのです。だから、そのままパートタイマーに呑まれて行くことをよしとはしなかった。ワガママにも程があるぞ!!とみんなもいっ時は思うでしょう。しかし私は二歳違いで待望の男の子を授かるのです。この辺から周囲もばかばか言い始めます。この窮乏の中で容子さんは一体何を考えているんだ??伯母は優しい口調で、父にとがめられた私を両手で囲い込もうとするのです。容子さんの為に町内会長に掛け合って、そこで生活しながら町内の人のお世話をする仕事が確かあったと思うって。その話はまだまだ決定では無かったんですが私達夫婦の為に奔走してくれた。自分は伯母不幸だったなあって思い返しているのです。