サファイア・マンs196 病室には固定電話が敷かれまるでホテルの一室のよう。伯母もどうしてもわからなくなった時、電話をかけて来れたのです。みんなのご飯のおかずについてでした。どんなものが喜ぶかわからず一応勉強して来てはいるものの、子供達の人気メニューがいまいち把握出来ないという。ようちゃんは自分がスーパーのお惣菜ばかりを食べさせていながら、どんなメニユーってね~~と一丁前のことをほざいています。イモの天ぷらなんか大好物よ、それにハンバーグ、カレー、おでん、肉じゃが。伯母は溜飲が下りたようにこう言います。ありがとう、明日、芋の天ぷら作ってみるわ~それと家に容子さんの友人が訪問してきてね、野球少年クラブに入れるかどうか、どうしますか?って。それは急ぐからOKって答えておいて。スポーツの記憶は後生消えないものだから。わかった、いよいよ明日だね!!うん。近所の天満宮にお参りしてきたよ、きっといい子が生まれますように!!って。ありがとう、心配や迷惑ばかりかけてごめんね!!あえて母のことは訊きません。伯母をリーダーにしていればすべて上手くいく、間違いはない。父のひとつ学年が上の姉。父はどこか夢想的なのに対してこの伯母は現実志向だったのです。伴侶が言うのもわかります。この人物なら男にしたかった!!大成しただろうって。