ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔242〕なぜ、スポーツがそれ程、自分を向上させるかを担保としていたかは、周囲の状況からも判別出来るでしょう。家にいる人物たちは誰もが学校の成績を重視して久しい輩たちです。変わり種としてヨッキちゃんはいましたが、彼も自分の学のなさを毎日のように嘆くありさま。それなら全部の分野で、勉強がこの世の中を仕切っている?ようちゃんの回答は違う!!っということだったんです。しかし自分には組織たるチームの中でいかに這いつくばって、レギュラーを奪取するか?などとそこまではまだ、考えられません。誰よりも速く、上手にサーブやレシーブの技術を取得してレギュラー云々はもっとずっと後にくるものだと了承していたのです。でも心の中には特別な視座もあったのです。音楽や文学もそりゃ大事だけど、この体育の中でも秀逸を選んでおけばきっとどこかで役に立つ!!って。神社の広場でトスを何回も連続で上げる練習をしていると指が確かに痛くなる。でも翌日も痛い!!ってことがやがて無くなっていくんです。慣れというものの脅威をみずから知った時、もっともっと強い向上心が沸いてくる。それを周囲はわかろうとはしなかった。しかし母だけは黙って見守ってくれていた。そこが幸いでした。