サファイア・マン《緻密な男編》〔182〕伯母に電話を掛けてみてようやく事の仔細が見えて来る。ようちゃんはまず、自分の負債を全部紙にしたためて、夫に渡すことが早急に求められていると話すんです。こういう負債を全部クリアする時に、ネックとなるのが、隠し事をしないことで、一社でも残したり、内緒事を持ってしまえばせっかく周囲がようちゃんの為に動いたことが報われないって。それでも中々伯母の言う通りに出来る自分は浮かんでは来ない。彼らの手の平の上で、謝罪しながら、全部のカードを失っていく前に、自分の好きなカードだけは残したいな!!って強く思うのです。なんで、自分だけがこういう仕打ち受けなきゃならない?って身分不相応にも尖っていたのですが、今思えば、父の苦悩がよく理解出来ます。父は若い頃、司法試験に何度もチャレンジしていたお陰で負債にも詳しくて、妻の借金が全く夫に関係ないことをようちゃんにも説明しながら、シゲルさんは離婚したくないってはっきりおっしゃった、半分なら負債を支払うって僕達に明言してくださった!!こんな幸せな妻が果たしているのだろうか?って僕は容子の立ち位置は恵まれているってそう確信したし、この期に及んでもあなたが、心を入れ替えないのなら、自分にも考えがある!!って。伯母はそこまでは知らないようで、ようちゃんもびびったのです。