ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔235〕ようちゃんはこの頃の遊びの相手として第一に千鶴ちゃんを念頭に学校生活を過ごしていてそれは彼女が大層健気だったから。毎日千鶴ちゃんと約束したかったけれど、家に帰宅する前から今日の用事を親から告げられていた千鶴ちゃんとは滅多に約束&実行とはいかず、家の玄関先で退散することも多かったようちゃんが丸栄という大型スーパーの最上階に彼女が行く時には同伴することが多くて千鶴ちゃんもようちゃんとの同行を毎回望んだのです。パチンコの景品を交換する場所でしたが、その交通切符売場のような窓口がようちゃんの興味のほこ先にはあって、そこで、お金を手にする千鶴ちゃんの姿を観察するのです。これがどこから運ばれたものかは分からないものの、千鶴ちゃんの家族がゲットしたものだという認識はようちゃんにはあって、後年になってそれがパチンコの景品であることがわかった時になお千鶴ちゃんが好きになるのです。子供でしかも小学六年生であのスーパーっていうより地場デパートの様相の最上階に行くことは嬉しさ以外の何物でもなく、帰りには食品売り場や衣料品売り場を二人で仲良く探索したものです。しかし素早く家に帰ってくることを家人に言われていた彼女は自由の自もなく、ようちゃんは途中でげんなりしてしまうのです。