ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔235〕ようちゃんのその頃はギガがどれくらいあっても足りないという位に毎日が奇想天外に充ち溢れていて、たまたま、店の前を早朝通った時に留美ちゃんがゴルフ道具をマスターの車に積んで、お客さんも一緒に出掛けようとしている場面に遭遇します。留美ちゃんがゴルフをやるらしいっていう噂は店の皆が話していたからそこにびっくりしたのではないようちゃんで、物影からようちゃんがしっかり目撃したのはマスターの満面の笑みでしかも大層丁重にお客様と話している様子から只者ではないんだな....っていう直感はようちゃんには舞い降りてきて、声を掛けることさえ出来ないその一幕をその後、何年も引き摺っていくようちゃんなんですが、その大物の名前を三十代も後半になるという時に紐解けた時に、溜飲が下がる思いになった。ようちゃんが下積みでずっとずっと苦労していくのに相反して留美ちゃんの人生はパッと開き開花宣言を出した桜のように艶やかだったのです。ようちゃんは負け組で留美ちゃんは明らかに勝ち組!!この両者の差異は鮮明で、後に二十代で店を開店させた彼女の店に偶然にも立ち寄ることになるようちゃん。その時の再会こそは辛辣でした。この場面は後に出て来ます。