ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔230〕六年生になるかという時、仲の良かったあの転校生二人がほぼ時間差で引っ越して行き、ようちゃんの心にはすきま風が吹き荒れて、それを隠せない状況に陥るのです。いえ?おかしいと思いませんか?ようちゃんには日替わりで遊べる友達が存在しているのに、六年生になる頃のようちゃんは、スポーツが特別の課題施策として自分のまな板に乗って来たことを知るのです。このまま足が遅いまま、体育を苦手としていくのではなく、肉体改造を強く欲するのです。足が遅くても賄えるスポーツといえばバレーボールで身長が足らなかったのですが、ようちゃんはまず、ジャンプ力を養うために家のあらゆる場所で飛んでどれくらい自分がジャンプ出来るかを計ってみるのです。二階の自分達の住まいになる部屋の天井はかなり高くてそれに手が付くまでと飛んでいる時、苦笑いの母が目に前に立っているのです。ジャンプ力がとっても大事だから飛んでもいいでしょ?って無理にも母を承知させて、ようちゃんは日々肉体改造に挑むのです。握力も足らないし、もちろんバレーボールの花形となるアタックなど、自分が憧れるプレイであるものの、実際に縁遠いことは分かっていました。しかしいつかバレーボールに魅せられていくのです。