ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔227〕ようちゃんがもしも早期音楽教育を母から受けたり、父から沢山の本を与えられていなかったら、それこそ勉強の時間に掛ける努力が必要だったでしょうが、余りに早くに多くの事を自分の中で消化していた関係上、他の子供達より精神的に早熟だった過程もあって、その分、小学生らしさに欠けていたかもなあっていうのはあって、他の生徒達の田舎者ぶりが初初しく映るのです。エイミーの幼友達にタカちゃんがいて家がアイスキャンデー屋を営んでいた彼女が、エイミーに最も近い友人でした。ようちゃんは商人の家庭が羨ましくてたまりません。いつもパンやお菓子や雑誌に恵まれ、心底羨むのです。ようちゃんの家には知性や本の香りはするのですが、美味しいことが滅多にありません。外食に出掛けたことも家族旅行に出たことも一回もないのです。父には立身出世願望が渦巻いていて、いつか世の中を席巻するぞ!!との気迫が十二分にも感じ取れて、ようちゃんは本を読む、そういった志向を持つ人間の本家本元に何があるかをある程度、幼少から知っていた関係上、自分は逆に本を読むまい!!とそう誓うのです。どこに自分の旨みがあるのか?そこを探り当てるのに長く掛かったようで、実は最初から見越していたのです。