イエローダイヤ・マン《標榜編》〔445〕俺が世間一般のコラムニストと同様のことをしゃべって終わるのなら人生は無情路線に行きつくし、俺が従来のコラム二ストには絶対しゃべれはしまい!!という極め付けを持っているからこそ読者は付くと思う。昨夜の鹿賀丈史の演技力には参った。そして沢村一樹にも。薩摩のその後の繁栄に寄与したのが沢村演じる赤山先生の死にあったとするのも俺には理解出来た。彼の死を決して無駄にするな!!っていう西郷の父親役を演じる風間杜夫にも、いぶし銀の魅力が付いて来てそうそうたる役者陣の中でも、やはり斉彬を演じる彼の素晴らしさ。渡辺謙だが、俺は改めて存外な構想にたじろぐ。役者が西郷の人生さえも変えうるということだ。この発見は後世にも伝えたいし、歴史に忠実でないといけないのは解るが、その役者の力量自体が西郷の今後を明るくしていく。俺は突拍子もないことを今話しているのではない。恐らく、きっと我々にある既存の西郷隆盛論を翻してしまう程の逞しい力を脚本と俳優達が担っているという希望だろう。俺達は西郷の最期を知りたい。彼が何に敗れたのか、その全容を隈なく知りたいのだ。今まで彼についてをあえて知らずに来た事が、良かったとさえ思える。