サファイア・マン《面白い男編》〔170〕その戸籍謄本を見て行く内にも、なさぬ仲の義理の子供達二人を自分の養子としてくれた年月日を見て、ようちゃんも自分のうろ覚えを悔います。平成元年の九月一日とそう記憶していたのですが違っていて平成元年の一月十八日だったのです。つまり1989年の後半になって物事が進捗していくどころか前半すでにいいスタートを切っていたのです。するとようちゃんの人物像も少しつ”つですが明瞭になっていく!!家庭のそういう形式的な戸籍云々よりも描いていたステージが、若干彼とは違っていた...という相違点です。彼はあくまでも外堀を埋めて家庭生活を完璧に持って行きたかった。しかしようちゃんはそういう手続きよりも追い求めていた事はあって、バンカーの妻の椅子に拘っていたという事実です。計算高くて、狙った獲物を仕留めることに関しては、無慈悲な一面も持っていた。確かに表面は温厚を衒ってはいますが、やはり物書き。理由のいかんに関わらず、自身のプライドを臆することなく傷付けて来る相手には容赦はない!!今のような六十一歳のおばあちゃんなら良かったでしょう。彼は三歳の次女の手引きもあって家への帰宅が可能になっていました。