アクアマリン・マン《真春と真秋の間編》〔6〕俺は昨夜から今日に掛けて放映あった家、ついていってイイですか?の立石さんに心奪われる。一回も結婚の経験はなく今はガソスタで働き、出戻ってきた姉の子供たちの面倒を看ながら母親の世話もしていて感動する。親孝行出来てないと自己採点を彼がすると、隣で寝ていた御母さんが突如起き上がって、そんなことない、親孝行の息子ですよ!!と。俺はそういう光景を見て涙が零れて来るのだった。なぜ、息子が孝行が出来てないとそう自分を評価するかが少しだけ理解出来る。完璧主義なのだろう。スタッフが聞きにくいこともあえて訊く。この番組が視聴率を稼ぐ理由。姪っこや甥っこを育ててきた真価がここには宿る。十分に親孝行しているぞと俺は最後流飲を下げた。俺の母親はどこにいる??と即座に探したい欲望に駆られるのだ。なぜなら母は首が据わってよちよち歩きの俺を置いて出て行ったという。これは父からではなく親戚筋から入った。俺は子育てに迷い家の柱に俺を縛り付けて出て行った母の気持ちが今は解る...。しかもなぜか母の犯した行為がいとおしい。番組が終わって俺は探すことを行動に移すことに決めたのだった。