ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔216〕ようちゃんは伯母の勧めを快く受け容れて夫婦川にある長崎美容学校への進路を決めます。短大が中途半端で終わったことに自責の念があったからで美容の仕事はお客様と話す仕事!!美しく出来る仕事!!と張り切っていたのです。その思いの先にあったのはもちろん自立もあったでしょう。そこが最終調整的な思惑でいたことも事実です。小説や短歌や詩歌は自分が挑戦していくべき分野ではあっても、すぐさまお金にはなりません。そこで活躍出来るには大きな賞に入選して知名度を上げないといけなくて短大入学で両親に申し訳ないことをしてしまった罪滅ぼしの意味があって、母も快諾してくれたのです。父は相変わらず図書司書の免許を取ることに熱心でしたが、ようちゃんにはその声が聞こえていたにも関わらずピンと来なかったのです。作曲をする人に演奏の技能はそう関与しないように、ようちゃんの文学志向も同位でした。私が人生で積み込んで行くのはかけがいのない経験・・・。この頃から経験哲学を頭に描き始めていたと言えるのです。