サファイア・マン《面白い男編》〔157〕母はようちゃんとシゲルちゃんの結婚をキツネとタヌキのバカし合いとまで標榜しましたが結果どうでしょう。こうして追憶に頼りながらも随分思い出すことが多々あって、UCカードの一件で彼はキャッシングまでしていたようちゃんに不信感を抱き、とうとうこういう方策に出るのです。マンション一階にある集合ポストに鍵をかける。このみっつの数字を揃えて開ける鍵には参りました。請求書を見られたらすべてが水の泡になってしまう・・・。ようちゃんは悪い頭で計算します。何か突発的なことが起らないだろうか?彼がその三桁番号を忘れないようメモしていてどこかに書き込んでいる?しかしそれは探しても見つからない。そうこうしている内に、目を覆うような出来事が起こるのです。マンション階下の人が訪ねて来て、私のポストに鍵かけてあるんよ?えええ?って一緒に見に行きます。見ると本当に奥さんの家のポストに鍵かけてあるんです。帰宅してからでいいからご主人にお願いします。奥さんは気さくで別に気にしてないから~と去っていきます。ようちゃんはシゲルちゃんの心のどこかに大穴がいつもあることにやっとこさ気がつくのです。