サファイア・マン《かけがいのない男編》〔151〕とんでもない優柔不断の男と結婚したのか、それともあの保険外交員の彼女が言うように自分は最強に運が良かったのか、そこはまだわかりませんが、キャロルの生活が自転車操業の最悪のシナリオに陥っていったのは言うまでもなくそこでの変化を伯母は電話の様相でわかっていたようで、しきりに心配をするのです。持参金を持って本来ならお嫁にいかないといけない結婚だった・・・と。しかし伯母はその反対のことも例に挙げて無碍にも諭すのです。あんたのように何もわかってないお嬢さんタイプの妻ならこの結婚は難しくておばちゃんが近い場所にいたならなんとか助けられるけどテンヤモノばかり食べさせているんでしょう?って。その通りだったのです。西鉄ストアかダイキョーかユニードに行きそこで御惣菜ばかりを買い漁っていた。そして毎月一枚は新しいカードが来て急場の土壇場を凌ぐ・・・。福岡銀行の通帳の引き落としはその頃大変なことになっていて、日本信販、国内信販・・・・・恐ろしいとしか言いようがないのですが、もはや伯母にも言えないくらいの借入残高になっていたのです。今のうちなら何とか出来るかも・・・と思って喉まで出掛かるのですがやはり電話では勇気が出ないのです。彼に預金があったからです。