ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔207〕小学四年生でピアノを中断することにも母は了承してくれてこの四年生の夏から中学三年の夏までキャロルは徹底的に自分を満喫出来る位置を獲得しています。好きな事柄に没頭させてくれた両親、特に母に頭が下がるのです。母はとことんまで自由を獲ろうとするキャロルを容認の構えでいてくれてそれはそもそも先生からの連絡でバレてしまうのです。一回目はピアノの先生も用事があって来れなかったのかなあって思うも、二回目は違います。家の固定電話はありません。先生はしかし直感があったんでしょう。ピアノに気持ちが行ってなくてそれで練習も前みたいに進んでいなかった。最後らへんのキャロルの心の入れ方に異変を感じていて、休み二回続行のときに、家の方に連絡を入れるように幼稚園の先生に頼んで貰うという所作を組み込むのです。幼稚園の講堂に先生は毎週教えに来られていたのです。キャロルは一旦ピアノを停止して他のやりたいことを全部したい気持ちを母にわかってもらい休学するのです。弟がその幼稚園に通っていたのです。三歳から十歳までをこれが自分の運命の領分なのよ!!ってわかっていた積もりを一回反故にしたのも未知の世界という常連がいたことで、そこで引っ張られていった自分はやっぱり興味本位の人間だった!!と。音楽と相対する処に日常の猛威があったのです。