ピーパー・ウーマン《ジュエリー・ボックス編》〔16〕帰宅したマレは厳しい宣告を受けたことに動揺し、制御のすべてを奪われてしまっている自分に驚愕するのです。まず今の商売を徹底的に遡上させる為に彼らのグループに入ることが先決でそれをするかどうかを今日中に決めなければならなかったのです。今のぬるま湯のままは絶対に嫌だったけれど彼らの先駆力が気になったのです。さっそうとした物言い、誰の意見をも聞きうる淘汰力、そして提案力にもたけた彼らの手の平の上で踊らされて終わるのでは?という不安もでしたが果たして自分が彼らについて行けるのか?むしろその方が心配でした。彼は別れ際こういったのです。今夜中にも決まる事柄を看過してきたグループとそうでないグループの今後は明らかに違うだろうし、それが商売人のコントラスト流儀にもなる・・・と。それならマレが来た人生はどうだったのか?結婚をも除外し励んだ割には家庭を持ってあくせくした同窓生に人生で負けているのです。ここで旗色を鮮明にする必要性があるのでは?刻々と十二時は迫っているのにまだ揺れていたのです。ぼちぼちでもいいじゃないか?を包括していたのです。誰に相談しても構わないと言われていたことも論外でした。