サファイア・マン《面白い男編》〔149〕クレドール・・・この十万円近い時計に魅了されて即刻購入を決めるのです。この一品に彼のバンカー人生を賭けてみようではないか?このクレドールを思い出せずに焦っていたし、・あ・から・ん・まで頭に浮かべても名前を思い出せなかったのにヒントはあったのです。想い出をずっと片側から追っていてもダメな時、前面と後面を同時に見ることで立ち上がってくるものがあって諫早探索で得たものがあったのです。グランドパレスと魚荘の正面ではなく自分が見ていたのは後ろからだった・・・という驚愕でそれに気が付いたのは保険会社にいたときこのホテルにお邪魔したことがあったからです。魚荘も自分が住んでいたのは後ろの場所で下から仰いでいた姿は後面であることに気が付く。そんな時に六ヶ月ぶりに行った大村イオンの時計やさんで突如クレドールを思い出した・・・。その時計が彼を変えるかも?との思いは強固にあったのかもしれません。自分は彼に貰った銀行進呈の勤続時計があって彼もペアを大事にしていたはずですが、キャロルは思いっきり背伸びをしたのです。真っ白な盤に対して黒のバンドが美しくて本能的にコレダ・・・と予感したのです。彼の定年と同時にこと切れて、修理不可能のまま大切に保管しています。