サファイア・マン《緻密な男編》〔148〕今キャロルは伯母の形見の和英辞典を手にしています。昭和三十七年発行、西暦1962年三月旺文社初版。後年子供にプレゼントされたものですが回り回って私の手元にこうして残った。このことが有り難いかなあって。その子に贈る言葉が書かれています。一周回ってという言葉が耳に残っていて実はこの前二時間放映の、家、ついていってイイですか?である女子がそれを発言でたまがったのです。一周回ったら好きかも?とかいう発言でこれは使えるな!!って。なんでそういう発想かっていうと時間と印象サイクルの架け合いで変わる気持ちの表現でこういうのを貰えるのがこの番組の美味かもな?って。弟の生まれる二ヶ月前にこの辞書は発行され版を重ねていった。伯母は西暦1921年生まれ。六年後重版されていて四十七歳以降に購入したのでしょう。伯母は電話口で私にこう言ったのです。子育てで忙しくしていてわからないかもしれないけど、今の人について行ければ容子ちゃんは大成する!!って。い、今の人とはシゲルちゃんのことですがまだ会ってもいないのに相手を信頼している点が無防備ですよね。彼女は何かを予知していた・・・といえばそうかもしれません。