ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔203〕まさかのまさかでそういうインターネット本や携帯で読める漫画などがニッポンに興ることなど二十歳のキャロルには想像だに出来ません。しかし自分はなぜ辞書のコーナーに配属になったかを今・・・噛み締めると感慨深いものがあって、やっぱり音楽が歌詞として文言で勝負するように自分は言葉の枠組みで善戦するのが本来の仕事のように思えてくるんですね。あの二十歳の時に投稿して新聞掲載された星くずの短歌がそうだったように私の歩みをきちんと見てくれた秦先生がいて十四歳での掲載とは違った進歩を自分自身も感じ取っていた。師と輩・・・お互いの成長の速度を認め合いながら、おのおのの文脈の包括度を競争し合う。時代をより包括した者が勝利者なのです。当時は見込めなかったもののどこかで想像はしていたのです。一冊の本を何度でも噛み締めそれを本棚に置く楽しみとは別個にインターネットが構築したものが、この日々進捗する本があって、毎日進む物語にワクワク出来る人々がいる。そこをいかに掘り当て獲得するかに勝算は掛かっているのです。誰もがもはや、雲を掴むような話だとは言いません。それを言うことで、時代遅れで無粋な人材に成り果ててしまうからです。