イエローダイヤ・マン《標榜編》〔252〕俺の足は標準くらいで、俊足の親友のタイムよりも五十メートルで、確実に一秒は遅くて、リレーのときの彼は常にスターだった。三位でバトンをもらっても結果一位。五位でもらっても結局一位。そこで俺は思ったのだ。得意を身に付けてしかもそれをみんなの前でアピール出来る素地が与える印象が不可欠でそういったものを俺も会得するべきだ!!と。例えばスペイン語ポルトガル語、そしてフランス語。この中のひとつでも英語と同位にしゃべれるようなら勝ち組になれる!!俺はつい最近、ポルトガルの位置を知った。どんなに探しても地図帳にない。・・・ないはずだ。スペインの何分の一しかないけれどそれは確実にブラジルを発見出来る位置にあって怖れ慄いた。俺たちのニッポンにもそういうのはあるかもしれない。九州を発見すらしていない本州だし、北海道を発見してもいない山陰だろう。俺たちがこのチグハグな感性を悔い改め、本当の船出に準備万端になったときこそが世界各国が必要とするジャパ・ニーズの出航だろう。かつて誰もが金に輝く国だと信じたように、ニッポンの上昇はそこからしか始まりをみない。ゴールドとはジュエリーを擁する処の感性だろう。いつ果てるとも知れない政治よりも至極磐石なものと言える。