ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔197〕矢上小学校の正門に立って右に行くと、田代店という文具店があってそこから少しいった場所に高柳商店、これも文具店で、ふたつの店は交互に利用したのです。当時から文房具には流行があって、そこでオマケや遊びの類もあって、菓子類も置いてあり、覗かないことはなかったのです。正門からもっと右に行くと日の出飴があって、その店頭にいくことも多かったのです。これをもしも入れ歯の人が食べると大変なことになってしまう、それくらい粘りのある飴で、十センチくらいの手に持って食べる飴でした。粉に埋もれているんですね。今度は左に眼を移しましょう。まずお豆腐やさんがあってキャロルはお使いでよく通った場所、そのごく近所に貸本屋さんがあって、薄暗い店の中へはよく友達と通った。その頃の人気雑誌や漫画の付録を単体で売ってあったのです。例えばレターセットやミニバックなどが人気で、今日でいうトートバッグならではの水泳用のバッグなども流行だったのです。でもやはり人気ダントツは着せ替え人形で当時女子の間で最高の人気を博していて、その中心となる人形が付録のときは皆が押し寄せました。そしてもっと左に駒を進めると矢上神社の鳥居があります。そこでは一階コーナー、二階コーナーとラウンジがあって、やがて大きな楠の木が立つお御堂の場所に辿り着くのです。