ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔197〕キャロルが高校三年生を卒業という頃一時期レストランで一緒だったクルミが偶然にも思案橋電停の前にあるゴールデン思案橋に勤めていることがわかって、街中でばったり会って、話していて食べに来ない?って誘われるのです。キャロルにとっては一学年上でも生まれた年が一緒でしかも彼女はもてもてだったので、その魅力にあやかりたい気持ちがどっかにあったことを忘れません。二十代になったばかりというのにクールなのです。十代で彼女の家出決行を影で応援し、窓から荷物をこっそり出すのを手伝った関係上、キャロルにとって青春の象徴のようなバイト仲間で、その彼女が勤務するレストランがかなりボリューム溢れる食材を提供していたことで、キャロルはいつかわ~いってみようが、絶対行くべき!!に変わっていきます。彼女はその家出してまで向った横浜からは三ヶ月もせず戻ってきてその辺の話も聴きたかったのですが、そこははぐらかすことも視野内。頭が良かったのです。山下公園の話を聴くとキャロルに一瞬ですが鮮やかな光景が浮かび上がりもっと彼女の話を聴いていたい発作に見舞われます。生涯を通して彼女ほど波長が合う人材にまだ巡り会ってはいない気持ちさえあるのです。