イエローダイヤ・マン《標榜編》〔196〕俺がいいな!って想ったことは中々サクセスに到達しないのに突如として目の前に現われる視野もあって驚かされる。こんなことちっちゃ過ぎる・・・と想っていたことがなんのその、非常に重大な案件として目の前の氷山として目測に入ってくる。そういう時に、俺は意外にもオタオタしない。若いのに泰然としていると評価されてしまう場面だが、ラッキーの死角を若いときに体験したからかもしれない。俺は違反の二人乗りをやって、事故を起こしたにも関わらず、新バイクをその事故によって調達してしまうというスリリングなレア体験を持っている。ここでのスプラッシュが俺をラッキーパニックに駆り立てたといっても過言ではない。二人乗りが許されるのは免許を取って一年後、それがあるにも関わらず俺は新バイクを奪取した。こちらにも運転ミスがなかったとは言えず、調停に立った保険外交員がどれくらいの技量をもっていたかで、ことの全容が決まっていったのだ。中に立つ者の優秀度によって、人生の、特に拾得物でも差違はどれくらい落差が生じるのか?俺は新バイクを展示場に飾りたいとさえ、あの頃想ったくらい。どれくらい時間が経ったか・・・というとちょうど十年だ。十年経過しても錆びない人生の正念場・・・俺はその驚愕を胆に銘じている。・す・は酸っぱいほどいい経験値を出すだ。