せっかく祖父の時代から築き上げて来たものを無残にも三代目がダメにしてしまう・・・そういった金融現場での経営者を多くこの眼で見てきた関係上、三代目には相当に慎重さが必須で、そういった自重をみずから知るよしのない人物なら、俺も推挙は出来ない。三代目は存在していること自体が有り難くて、まず親や祖父に対する尊敬がなければ俺はよしとはしないし、信じるに値もしないだろう。祖父が最も素晴らしくて、父となると少し劣化し、息子になるととんでもない、そういう例ばかりだった。それだけに俺の眼光はあいつに厳しくなる。三代目破滅論をあいつに言い渡そうと思っていてはいる。しかしいつも、はぐらかされる。今日も一緒に墓参りにいこうよ!と持ち掛けたが軽く断りを入れられた。もっと大事なことが山積なのよ~俺は鼻で笑う。あいつにとって最も火急なことはダイエットだろう。俺にはそれがよく見える。デルスカイしておこう。三代目慎重論だ。