サファイア・マン《かけがいのない男編》〔131〕今ほど、じっくり物をしたためる時間帯に恵まれているシーンはなく、朝の七時から一時間ちょっとキャロルの執筆の時間は約束されています。しかし当時、三十歳のキャロルはまだ、時間取得術が不足していて、いつ、どれからしたためていけばいいのか、皆目見当がつきません。題材にこと欠いている?まさかな自分を掘り下げます。これだけの子供に恵まれ、しかも精神的に不安定な状況で、解決のメドもなく暗礁に乗り上げている心の按配・・・。それをしたためていくことが自然の流れなのか?と認定は下すものの、誰か水準となる決め事が必要でした。社会的な思惑で、自分が時代に沿って進んでいることを現す指標のようなもの?誰とも全く接触が無く日々、子供達や旦那と向き合うのみでは何か・・・取り残されていくような不安があって、それかといって、サークルに入って誰かと合流とかは出来ません。毎日がお金との戦いで正しく食のビンタなのです。天から降ってくるわけないお金の捻出に頭を痛めてキャロルはどうかなりそうな自分を解読しました。精神が参っていきそうだった・・・。両親に頼むことが出来ないのも納得で、そこには見栄があったのです。こんな苦難に遭うくらいなら、この結婚は誤算だったし、しかし二度目の結婚へのチャレンジ。すごすごと敗北宣言をしたくない自分がいたのです。