エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュー編》〔23〕娘たちが希望して前夫の実家に行くようなことは避けたいことではあっても、ひとつの思考の住処としてまだ健在に残っていることが頼りでもあり、殺伐とした世の中の一端を見るような残忍な事件が国の行方を難しくしていました。しかし状況は徐々に打開へと向っていて、核戦争を想定したような不穏な動きは回避され、そこに一抹の安心を得る里子で、例えば宇宙からの侵略などがあれば地球全体がスピード結束する・・・という答えで、地球全体をひとつにしてしまう何かが必要なんだ!!と誰もが考えていたときでした。食い放題というニッポン語に対して、バイキングという英語があるように、その言葉の枠組みに目を付ける頭の切れる女性陣がニッポンをリードするようになって、里子の心もウキウキになるのを禁じ得ない。しかもグッデイの安藤キャスターはこう放出したのです。女女しいという漢字を男という字にしてもいいんじゃないですかって。里子もこれには慎重にならざるをえず、そこまで言う安藤キャスターに厳粛な怖れを抱く・・・。しかしそれは不快感ではなく、そこまでいっても委員会的な思惑で、ニッポンは正しく虹やかな転換期を迎えようとしていたのです。