サファイア・マン《かけがいのない男編》〔120〕病院で胎児の成長を見るたびに愛しくなって、三月二十三日という三を三つ重ねた日を予約します。昭和も六十三年です。三という数字は父も愛していて、三人寄れば文殊の知恵からきているようで、弟の名前にも三を入れたくらい!!三は太陽にも通じる!!キャロルがでも帰るときにがっかり来たのは想像出来るでしょう。国民健康保険なのです。病院でもまるでシングルマザーの扱い。せっかくバンカーと結婚しても彼は自分を枠外に置き差別を続行・・・悲しい帰路でした。それでもなんとか自分に応援を入れないといけない。上の二人の子供達が救いでした。再婚なんかしなきゃ良かった・・・もっともっと違う人生があったのに!!でもそれを言うには遅すぎたのです。当時はでも彼の気が変わるのを今か今かと待っている、それしか選べない状況で、それを待つ姿勢こそが甲斐甲斐しい専業主婦の姿。最初からこういうジレンマならとてもこの結婚を選ばなかったでしょうし、今、連れ子を持った同士の結婚も多い中この健康保険問題は肝心です。誰がそれを支払うのか?そしてどういった家庭内財政を円満に推移させるのか?結婚して二人が籍に入っても、別々の健康保険ではおかしいけれどそれを続行せざるをえなかったキャロルの驚愕でした。