サファイア・マン《かけがいのない男編》〔119〕保険会社の彼女は練りに練ったのでしょう。最高の案はひとまずオアズケにして、土曜日と決めた日の前日金曜日、マンションの玄関まで予行演習に来るのです。そわそわしてしまうキャロです。家の家族構成を聞かれて戸惑ってしまうのです。上のふたりの子供達は自分の連れ子だと話すと彼女は旦那さんの子供さんだと思ってました・・・って正直に吐露するんです。そ、そんな大事なことも知らずには話していくことは難しかったって彼女が胸を撫で下ろす。そのとき、自分の方はあのことも気懸かりになるんです。まだ、正式に会社に申告をしてないこと・・・。そしてそれをいってないとまずいのでは?って思う。思い切って打ち明けると、彼女がありがとうございます!って感謝の意を伝えてくるんです。何かご事情があるのかな?って思っていたっていうんです。エレベーターで擦れ違うとき、それを感じたという。なんという女性の直観力でしょうか、しかし彼女はスルっとこう言うのです。生命保険ですからそういったことは関係ない、体の健康面が重大で、健康面での申告漏れ以外はそう気になさらないで!って。三十年も前だから今は若干違うかもしれない。そういう例は極めて少ない事例になるでしょう。