イエローダイヤ・マン《標榜編》〔61〕俺は気分転換に近くのイオンのヴァレッジバンガードへ足を向ける。ここには雑多性とともに本なども置いてあって、興味を掘り起こされて開拓民の気持ちになれるから好きだ。ピコ太郎の映像が流れ歌がポップに鳴って、しかもパイナップルペンとアップルペンが商品化されて売ってある。598円だった。俺は中へ入って、レジ近い場所を検索する。ここが商品秘湯の部位で目ぼしいものが必ずある。俺のこころは正月気分というより財津和夫の気分だ。心の旅というチューリップ時代に出した楽曲が実に良くて、こういった昔のものに価値感覚を見出す。その楽曲は百年の命が封じ込めてあって、改めて、フォーク全盛時代を思うのだ。母が好きなのは木綿のハンカチーフだ。俺は今の楽曲が死に体とまではいわないが、全く寿命というものに無縁なことにモチーフを貰い、すべてがこの一件に連結していることを悟り嘆くのだ。財津和夫が活躍時のライバルの楽曲もすべてが秀逸で、そこにあるものを俺なりに紐解いた。競争の倫理の不可欠だ。いいものがさらなるいいものを引き出し、それがまた、次のいいものの誕生に発破を架けていく。我々の時代の名文句にしたいのは競争の倫理の大発動で価値の創生である。