サファイア・マン《かけがいのない男編》〔114〕連れ子をして新たなる決意で結婚生活を始めたキャロルにも相手に対して、自分のわがままを通させて頂いた借りはあって、そのまま、ずけずけと自分の意見を通す無理を感じていました。そして譲ることも考えたのです。会社に届けないのは彼が真面目すぎるから・・・それを悪意に取った自分の心が度量なし!と戒めたのです。百歩譲ることにしたのです。そして彼が最初の子供のときとは違う環境をすれば?お見舞いにくるかもしれない!と明るく前向きに捉え始めたのです。銀行から百メートル内にある産科医院なら?そこを主治医にすれば自分が第二子をもうけるときに素通りは出来まい・・・この作戦は効を奏じるのがわかっていたものの、本当に第二子が生まれて彼が会社に届けるのか?そこまでの勝算はありません。しかし今度は男の子なのです。彼にとっての跡継ぎ。大事にしてくれるかもしれない。しかしどう考えてみても一縷の望みのようにしか思えないのです。未来が予知出来る人間の悲しい性・・・。彼は確かに病院には来るだろう、しかしながら一発決心して会社に届ける確率は非常に低いのではないのか?この時もキャロルに暗示があるのです。今は出産のことだけ考えるようにとの示唆があるのです。それからのことは任せなさい!と。