イエローダイヤ・マン《標榜編》〔38〕俺には誰にも話せない過去があった。まだ、五歳の年長の頃かなあ、ちょうど近い場所まで来ていてその親戚の家からとことこ出て俺が向ったのが玉屋だった。俺はその頃まだ、警察官の息子だとは正確には知らない。ただおぼろげに知っていた?そこは俺自体わからないが、この小一時間に俺がやっちまったのが万引きで、誰にも話せず・・・・そこが俺の汚点になると今まで思い中々話せなかったが、ここで初公開というのも時代が孤島に乗り上げたこともあっていい機会だと判断した。俺はまず売り場へ行きガンダムを抱える。とてもずっしりしている。それでも俺はそれを抱いたまま、階段まで行きすたこらさっさと店外へ・・・・。それを持って親戚の家へ戻った。もちろんみんなが不審に思い聞き質してくる。どうしたの?そんなデカイものを抱っこしたまま・・・ええ?買ったのか??母親の兄にあたる人物が聴いてきたときが最もびびった俺。しかしそこでの断固とした対応こそが必須だと思っていた。幼児の俺はガンダムに憧れそれを抱っこしたまま、無事店外へ出てこれるか?それは一種の賭けだった。誰にも話したことがないというのも違う。俺はひとりにだけに話した。安全な相手だと確定ボタンを押せたから話したのだった。