ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔168〕自分の中で順位付けが出来るくらいに数々の誕生日会を味わい、その中で吟味すればこの誕生日会は序盤にも入らない・・・と嘆くものの、母の眼付きは険しくて、終わったらさっさとみんなを返すのよ?と容赦ないものだったのです。ケーキはどんなに待っても出てきません。しかしその瞬間でした。いきなり母が、は~~はっはっはと笑い転げるのです。あるプレゼントが開封されたときです。落としても割れないプラスチックのご飯茶碗。豚の絵が描かれていてそのプレゼントだけは忘れもしません。咄嗟に思い出したのは母の苦悩でした。小さいとき熱ばかり出して、度々両親を悩ませたキャロルがやっと落ち着き健康を維持し始めた頃・・・母はキャロルの顔ばかり心配そうに観ているのです。この娘は目が大きく他の人と比べ遜色はないが鼻がどうも人並みない。小鼻が開いている。どうすればいいのだろう・・・。大きくなるうち段々顔は戻ると聴いていたが、鼻がいっこうに普通にならない、もしや人生で、この鼻の影響で損をしたり、躓いたり、人から馬鹿にされたりがないと、はっきり言い切れるだろうか?悩みに悩む母のこころを透視していただけになぜ、この茶碗を見て母が笑い飛ばしたのかわかるような場面ではあったのです。