サファイア・マン《面白い男編》〔111〕男のいかんともし難い負の部位と取るか、それともそれとも、男児を産み落として彼との子供を二人とすることで、前夫との子供の数とまず同位にしてシゲルちゃんにお伺いを立てるのか?キャロルは十二月になっても全く埒が開きそうにない彼の心を見越してある計画を立てます。ちょうど父から打診もあったのです。児童手当などキャロルがシゲルちゃんと生活するようになって籍を入れたことで消滅していた上の子供たちですが父がさかんに薦めたのが児童擁護施設です。自分の新生活を中心に動かないと妻として幸せにはなれない!との考えでいた父ですがキャロルにそれは死んでも出来ません。上の二人がいてこそのキャロルだったからです。貧しいながら幸せなときもありました。電気もガスも止められても何とか踏ん張って来れたのは長女や長男がいたからこそで、そういった思い出を反故にすることは出来ません。出来るのなら、逆にシゲルちゃんに出て行って欲しい気持ちもあったのです。しかしお腹の子供が無事生まれることが最大の案件で、初めての帝王切開もあり、自分の気力や健康だけで、上手くいくか心配なのもあったのです。当時は今のように技術が進んではいません。いろんな意味で心配もあったのですがその情報をあえて取り入れないようにしたのです。自分は幸せな妊婦だったかもしれません。