エメラルド・ウーマン《深窓の令嬢ダブリュ―編》〔2〕結婚時代から真面目過ぎてジョークも言えない夫でどこかに不満があった。しかし次々娘が出来て、一旦はこころが収まったかに見えてやはり自分とは合わない夫だということがわかる。きちんと行事は覚えているのだ。結婚記念日、誕生日、そしてふたりの出会いの日。しかし全く見えないのは夫の出世で、アパレル業界に大卒で入ってもう三十代も後半というのにその時代にあるべき出世オーラがなかった。しかし親友にいわせればそれは贅沢な悩みで、まじめで家庭思い、そこで不満たらたらじゃあ、絶対あんたダメだからね?って。そういう親友は離婚して慰謝料も養育費ももらえず働いていた。コンビニ勤務だ。どんなに一杯出ても10万稼げればいいほう。夜勤になろうかな?って思う位にしんどくて、ついつい新人イジメをしてしまう・・・っていうからよほどの戦場なのだろう。コンビニでは店長が最も偉いがそれでも汗だくで働き、むしろそういう働く人類を見ていてハッとさせられるというのだ。汗もかかずに頭脳でプレイ出来る素地があるならそういう職場に勤務したい!!って。しかし彼女を保険会社には誘えない、一回履歴があるからだ。いろいろ縛りがあって勤務させたくともそこには満たすべき条件があったのだ。