ルビー・ウーマン《ジーニアース編》〔165〕弟が一歳から三歳までというとキャロルが小学一年生から三年生までで、キャロルに切ない悲しみが襲ってきます。しかしそれはすぐにも気迫として据え替えられる。まだ、その経験をしてもいないのにキャロルには憔悴が伝わってくるのです。おいそれとはいかない未来予知・・・しかもこれは自分の弟を予知しているのです。自分が楽しければ彼も満喫し自分が落ち込めば彼も沈むというスクラムシステムです。なぜこんなことが?キャロルはすでに気が付いています。姉弟間を流れる色素や波があるのです。同じ家庭内だから起こる現象で、キャロルが学生時代に、もしも躓けばそれは絶対彼にも電波津波になって及ぶという・・・・。悲しい暗算ではあるものの、キャロルはその暗示を打ち消して彼を巻き込まないように気を付けようとそう思うのです。彼に影響を最も与えるのが一歳から三歳まで・・・とそう思い込んでいたからです。早期教育を受けたキャロルがそうであっても彼が受けては居ないということをすっかり忘れてしまっていた。早期教育を受けたキャロルは余りに感受性が進化し過ぎて辛辣な過渡期を迎えてしまったが、弟の場合は最も影響を受ける時期そのものがずれて中学時代だった・・・。そういう綿密なことに気が付くのは後年になってからです。キャロルは早期教育を受けず、すくすく育った弟の環境供与を実は促進している保育者です。