俺の手術が五時間超も掛かったのは麻酔をかけるときに注射が上手くいかず、骨皮筋衛門の俺・・・お医者様に本当に苦労をかけたと当時を振り返る。麻酔の回数は一回ではない。そして的中すれば早く手術に入れるが俺は中々難しかったのだろう。癌は後からわかるがステージ2という進み具合でも横に広がってるか、それとも縦?その深位もひとぞれぞれ違っていて、俺の癌はもっと時間を置いてしまえば大変なことになってたかも?って。俺はステージ4だったと四年間思い込んでいた。意外にも大穴がある俺。実際俺の癌は長い時間を掛けて進行した癌ではないか?とその当時を振り返る。自覚症状は何もない、検診を受けたときにも食欲はあった。それなのに・・・・俺はお金を節約してがん検診をサボっていたことも告白しよう。息子たち三人を無事就職までもっていく、そこまで到達させるのはバンカーひとりを育てるのの何千倍もの苦労が要る。そしてキャロルの冷酷度だ。手術を受けたその晩くらいは一緒に病室で過ごしたかった。まだ口に管の通る俺の切ない手を撥ね退ける。懇願する俺の手をドンピシャ撥ね退けたあの言葉。私・・・カキモノがあるの、ごめんなさいね。こんな薄情路線で大馬鹿野朗は世界中探してもいないぞ!!デルスカイしておこう。大馬鹿野朗だ。