サファイア・マン《緻密な男編》〔105〕こういう事態になることが最初からわかっていたなら結婚を躊躇しただろうし恐らく入籍にも至っていません。結婚とは専業主婦にとって、相手の職業と結婚するという意味も内包だからです。しかしそれに対する怒りや不満もありました、いつまでもそういうことだから女性の自立は成立をみない、何か有効な手立てを神が意識的に投入している例には見えないか?キャロルはここで運命決定論の重要な部分に自分が差し掛かっていることに気が付く。もしも彼のような不遜な人間と出会わなければ、こういう状況には陥ってはいないという現実で、そもそもこの人間は一体何の為にキャロルの前に現れたのか?シゲルちゃんの立場に立って、考えを進めていったのです。彼にはふんだんな金銭があってそれは投資するに充分な原資。これを有効に利用することこそがこの結婚の成果であることに目覚める。そしてキワメツケは彼を投入してきた神には野心があったということです。もしも小さな器の神ならそもそもキャロルを選ぶことに危惧を感じ撤退してしまう、しかし彼はなぜ・・・キャロルの前に堂々と君臨し存続を許されたのか?不遜で自己中心的だがキャロルを成就に導く金銭的能力があったということなんです。