俺は朝のウォーキングで意外な人物と出会う。以前、キャロルと知り合うキッカケとなった長崎支店の、俺が四十二歳のときの銀行のお抱え運転手だ。俺も副支店長だった関係で代理訪問は彼と回った。一年半の長崎時代、俺は数々の企業を会社訪問し、この目で地場を見て回った。支店長の代行で行くことが多かった。銀行のお抱え運転手はとても厳しい条件をクリアしてないといけないが、わが行はラッキータクシー一任でずっと来ていた。このラッキーこそがわが行の最高のパートナーであった。俺は八十五歳にはなるかという彼の歩き方がシャキっとしているので目を見張った。達者であることが何より・・・とんと俺はうらやましくなった、デルスカイしておこう、翁の逆襲である。