俺の入れ歯が壊れかけている。しかしもう少し様子を見て病院にいこうと思っている。俺は知っている。完全に壊れてしまってはダメだし逆に金が掛かること、しかし俺が歯医者に通うことを家族が喜ぶ。嫌がらせもしたくなる。いつから歯医者にいくの?とキャロルも訊いてくる。十月の年金がはいってからだよ!そういって奴を泳がせている。俺が一時間でも家にいないと鬼の居ぬ間のなんとやら?それほど俺がいないことがこの家を明るくすることが口惜しい。しかも部屋別生活なのにだ。俺は嫌われるタイプの人間なのだ。みんなに最高の提案をいつもしてきた。ここはこうした方がいいよ?って。しかしそのすべては見事に裏切られた。今回も家の全雨戸を閉めたが台風には肩透かし・・・。全然閉めた意味がなかったわけではない。あいつらの本音や正体が読めたのだ。キャロルなんていったか?雨戸閉めるのはいいけど外から閉めてね?そして、台風去った後はこうだ。早く開けてよ、あんまり閉めてたらご近所に笑われるわ~ちくしょうと思うが俺の予想がことごとく外れるシーンであっただけにこの台風だけは俺は忘れない。十六号に要注目だ。