ルビー・ウーマン《ロイヤル・ボックス編》〔146〕サンデーやパフェといった生クリームとアイスクリーム、フルーツを使った細かい作業を最初のうちこそ喜んで打ち込んでいたまさお君がやはりぶつかったのはマスターの厳しい言葉遣いでした。ちょっとした表情を注意されます。厨房で作っていてもそこがレストランコックとは違い、カウンターの中は常に顧客の視線内にあって、笑顔とまではいかずとも明るい応対を注意されます。一度は変えてみせる!と張り切っていたまさお君でしたが、たびたび注意されるうち、反発が芽生えてくる・・・。なんで俺ばっかり標的?容子だってブッチョウズラ〔ベンジャミン〕しているときだってあるのに・・と。キャロルはすでに接客修業を喫茶バンビとOKレストランでしていた過去履歴があって、そこを同位に捉えてはならない場面でしたが、元来明るいオモテ志向のキャロルと違いどちらかといえば裏方が好きなまさお君の性癖を一緒くたにして捉えることに疑義はあって、キャロルは慰めることも発奮さすこともあえてしなかったのです。むきむきがあって、あなたにはあなたのいい部位もあるのよ!と言えない場面、マスターは接客業の心髄に及び早期改善を求めていたのです。